ビッグオーの2期が1期と比べてびっくりするくらいつまらなかったのでまとめる。

主要登場人物、世界観、主なテーマが共通していながらここまでの落差があるのはむしろ興味深さがあるくらいだ。
視聴した後怒りに任せて書いたので多分勢い任せの部分があちこちある。口調がコロコロ変わってるとか…。

動かない

ビッグオーはアニメーション作品ですが、2期はなんかほとんど動きません。アニメーションしません。
人物がじっとして口だけ動いてるとか、走っている動きのループとか、背景のスクロールとか、背景の回転とか、とにかくなんとか場を繋ごうとしてる部分が多いというか、ほぼ全部それで出来上がってます。回想シーンも多いです。
あとなんか技術的な問題なのか短いシーンのカット、場面転換が多いせいで見ていて疲れる。A→B→A→B→Cみたいな繰り返しが多い。しかも転換の度に若干シーンを巻き戻しているおかげで展開がスローモーだしテンポが凄く悪い。
たまにはそういうごまかしも必要ですけど全部それで構成したらいくらなんでもげんなりしてくる。
単純にそういうごまかし手法が多すぎるのもあるけど、使い方も下手な気がする。ちぐはぐでうまく繋がってない。
結局、ごまかしが多いくせにごまかせてない。アニメーションさせたくないならアニメ作品にしなければよかったのでは???

あと、全体の作画クオリティが明らかに落ちている。特に目立つのがエンジェルのかわいくなさ。顔が東京ビックサイトみたいになってやがる。話の暗さも相まって表情が硬くて表情の変化も乏しい。ボディラインの描写もはっきり言って下手になっていて、見れば見るほど魅力が無くなっていく。1期で稼いだ魅力の貯金がどんどん切り崩されていくのを感じながら見なければならない。
1期では主人公と彼女が密室に閉じ込められただけでドキッとしたのに、2期で二人が海岸でくっつき始めた時の感想は「何このビックサイト…」だった。

話がわかりづらい

話の進みが遅い。上記のアニメーション的な繰り返しも多いけど、ストーリー展開も回想シーンが凄く多くあの手この手で「時間稼ぎ」してるおかげで、30秒で説明できる事を30分に引き伸ばしてます感がすごい。もったいぶりすぎてるせいで、なんだそんなオチかよって気分にさせられる。しかし実際はむしろ、「散々引っ張っておいて答えが分からなかった。結局あれはなんだったんだ…」みたいな終わり方の方が多い。観ているうちに未解決問題が山積状態になってだんだんこんがらがってくる。
あと、絵的な見せ方がどうも下手な気がする。アップとか、アングルとか、カットとか、印象づけたり意識を切り替えてもらう目的で出来ていない気がする。そのせいで話の進みが遅いくせに頭に入ってこない。
2期はちょっと話が難しい&大きいのでより丁寧に話の大筋を説明する必要があると思う。

人物像が崩れている

話が冗長で分かりづらくて展開が遅くて退屈でも、まあぼんやり視聴する分には問題なかった。何故作中の人達の記憶が失われたのかとかその他散らばる謎の答えが、最後まで見れば分かるだろうと思ったので出来れば最後まで観たかった。
しかし、最後の3話を残して私は視聴をやめてしまった。登場人物の言動が不愉快で、それが我慢の限界に達したからである。
まず、何故か2期に入ってから急に主要人物が皆いじけ始める。主人公のロジャースミスはよく分からない葛藤でしょっちゅうのた打ち回って数分ごとにアイデンティティを見失う→自問自答を繰り返してるし、軍警察のおじさんは巨大ロボットに手も足も出ないから自分達は存在価値がないとか自分はパラダイム社の犬だとか本当にいじけだしちゃうし、エンジェルもいきなり元気がなくなった上に突然主人公とイチャつき始めてドロシーと三角関係を形成しておきながら勝手に自己嫌悪に陥ってひたすら雨の中をトボトボトボトボ徘徊してるし、最終的にはドロシーまでなんかよく分からないけどアイデンティティの再確認をし始める。
このシナリオ書いた人はこの作品の登場人物に何か恨みでもあるんだろうか? それともこういう趣味なのだろうか…。
とりあえず、悲壮感を出したいんだろうけど傘くらい持ってくださいエンジェルさん
まあ百歩譲って主要人物達が落ち込むような展開になるのはいいとしても、その中で登場人物の言動が不可解で共感できないのがいただけない。
まず主人公のロジャースミスは何やらバーコードにトラウマがあってそれがフラッシュバックする度に立ち眩みを起こしたり気絶しかけたり寝てる間にうなされたりしてる訳だけど、これが2期だとすげえ頻度で見せ付けられるんですよね。まず頻度が多すぎるし、どうも彼がクローン人間やら人工記憶の媒体かなんかかもしれないって話なんだけど、だから何?そんなもがき苦しむほど嫌な事なの?って思ってしまう。例えばこれが幼少の頃両親が殺された記憶が…とかなら、まあトラウマに相応しいと思うんだけど、どっちにしろ謎のフラッシュバックで主人公がうっ…うぐ…うう…とか言って苦しむシーンなんて3回も4回も見せ付けられてもリアクションに困る。あと苦しそうな声を何度も聞かされるとこっちも息が詰まってくるので段々不快になってくる。
主人公がこれで、他の登場人物も意味不明な単語をつぶやいて突然走り出したり泣き出したりと、お前ら…大丈夫か?って思わされる言動が目立つ。作ってる側は意味深な言動を演出してるつもりなんだろうけど凄い量で連発してくるし答えを出すまですごい引っ張るしぼかしてくるので観る側としてはもはや苦痛。
結局こういう謎の布石って観る側にとってはほとんどノイズみたいなものなんだなって感じた。うまく組み込んで隠し味にする事は出来ても、作品の飾りつけには使えないだろうと思う。
あと、2期全編を通して登場人物同士の会話が成り立っていない。これが凄くて、A「今日は何の用だ?」 B「ちくわ神…」 A「ん? 今なんて言った?」 B「今日も雨が強いわね」みたいな調子で言葉のロングパスと見せかけた投げっぱなし形式で登場人物達が喋り続ける。本当にこればかりなので、最終的には「返事はYesかNoで言えこのコミュ障!」って言いながら殴りたくなってくる。
1期であんなに小気味良くやり取りしていたキャラクター達が軒並み精神病患者みたいになってしまっていて悲しい。

本当色々言いたい事がたくさんあるけど、改めて強調したいのはエンジェルの顔がかわいくなかった事です。